絶唱佳吟
梅雨明けが宣言された昨7月20日、例会で泉山に登りました。
さすが1千mを超える山頂は別世界、霧が流れ涼風が吹き渡ります。登山道わきにはピンクのカワラナデシコに混じって、一段とすがすがしい白花もありました。
今朝の朝日の天声人語、定家の一首を、濃艶にして爽やかな絶唱佳吟か、狂女が幻の男を追いかける姿を詠んで、時ならぬ冷気を運ぶものなのか、と談じていました。
《 移り香の身にしむばかりちぎるとて 扇の風の行方尋ねむ 》
定家蔓(テイカカズラ)という植物があります。妖艶な香りを放って定家の墓に絡みついていたことから名づけられました。彼を思う女の情念が化身したものといいます。
これなど考えると後者もありと思うものの、いくら暑い梅雨明けを迎えようと「冷気」より「爽やか」に惹かれます。
ところで、中学のころから国語の勉強に、毎日天声人語を書き写すという高一の甥坊主、意味が分かるかなー。