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帰巣本能

 庭にプラスチックの水槽を置いて湿地の植物を植え、蚊の防止にメダカを入れていた。が、どうも様子がおかしい。数が減っている。

水を抜いて掃除をしたら犯人がいた、イモリ。こいつらだ、4匹もいる。いったいどこから来たのか?

このままではかなわないと数十メートル離れた裏の林に放り込んだ。下の農業用水路に逃げ込むだろうと。

 1週間ほど経ってメダカを水槽に戻そうとしたところ、そこにはまたイモリが。それも4匹。メスの進路を妨害するように体を曲げ、尾びれをユラユラ動かす独特の繁殖行動さえとっている。

同じ両生類でもぴょんぴょん跳ねるカエルならともかく、イモリが帰ってくるのか?

 若い頃、就職して県外に出たことがあった。わずか2年ばかりで帰郷し現在に至っている。外にはまた違った世界が広がっていたに違いない。

「井を守る」イモリ。イモリと同じような人生であったのかもしれない。

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