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腐狆の湯

 首相の目玉政策の一つ、北方領土返還交渉が頓挫している。

 2年ほど前になるが、ロシアの大統領が首相の招待を受けて長門の温泉にやってきた。最大級のもてなしで親密さをアピールしたつもりであったが、彼はわざとのように遅れて到着し、素気のない態度で帰っていった。

 この時、関西に住む知人が、研究している中世の歴史の論説を送ってきた添え書きに

「腐狆には勿体ない長門の湯」と世相を皮肉っていた。

 腐った狆とはこれまた手厳しいと思ったものの、ウクライナから軍事力でクリミア半島を奪い、歴史的にロシアのものだと開き直る、片や歴史的に日本の領土であった北方4島は戦争の結果、ロシアが獲得したものだと居直る、まさに腐狆がふさわしい。

オイラはチンなんかじゃねー! 歴としたセントバーナードだワン!

 彼が長門を去ってしばらく、学生時代の友人数人と長門に集まった。

 首相ご自慢の湯とはどんなものかと連れ立って日帰り入浴に及んだが、料金2000円の価値はさておき、上等であることに間違いはなかった。

 何回も会談し、いくら親密さを演出しても腐った狆は煮ても焼いても食えない。経済協力だなんて、逆に骨の髄までしゃぶられるに違いない。

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