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形見の花

 このところ裏の林で小鳥の群れが目につく。

 カメラのレンズを延ばして撮影し、不鮮明ながらその特徴からカシラダカと判定した。

図鑑には、冬鳥で繁殖地の大陸方面に渡る前、早口で「ぐぜり」を始める、とある。

 さえずりに似た小さな鳴き声を「ぐぜり」と称するらしいが、群れともなるとチーチクチーチクと朝早くからかなりにぎやかい。

その木の下にはこの前までカタクリが咲いていた。

 今は亡き友人から種を蒔いた鉢をもらい、その後地植えをしたものである。細かった葉は年々大きくなり、昨年あたりからようやく花を付けるものが出てきて、今年は10本ばかり咲いた。

 カタクリは種から花を咲かせるまで7,8年かかるという。指折り数えてみれば、亡くなってからの年月と咲くまでの年月がぴたりと一致する。

 形見の品ともいえるこの花、春休みに来ていた幼い孫娘に2,3本手折られたが、これからも大事にしていきたいと思う。

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