健康優良児
ここのところ毎年のようにモロヘイヤを作っている。
種を買っていたが、昨年秋初めて種を取り、今年は惜しげもなくたくさん蒔いてみた。
ウジャウジャ生えてきて、中に1本だけ特に大きくなったものがある。肥料が効いたのか?
子供のころ、体格が特によく、運動能力や学力に優れた子を「健康優良児」として顕彰する制度があった。全国大会もあって、出場が決まれば新聞に写真入りで紹介されていたと記憶している。
並外れて体格のよかった彼、彼女らも中学を卒業し、高校生になるころには周囲に埋没してあまり目立たなくなっていった。あのまま成長していればとんでもない大男、大女になったはずで、単に早熟だったのであろう。
6月23日の沖縄慰霊の日、かつて健康優良児制度を牽引していたある全国紙に戦災孤児のやせこけた写真か掲載されていた。
強い兵隊が求められた戦中、国民全体が栄養不良でその改善が模索された戦後、いずれにしても国家の大きな課題であった。
牛や豚の肥育ではあるまいにと、今から思えば滑稽な話であるが、肥満が問題となっている現在では想像もできない出来事であった。