生体実験
理科の実験でカエルの解剖が嫌だったという話しを見聞きするが、我々団塊世代にその体験はない。戦後も間もない頃で理科の実験など余裕もなかったのであろう。
三徳川で鳴くカジカガエル
戦時中、日本帝国陸軍731部隊が満州で行った生体実験、数千人が生きたまま実験に供され殺害されたという。軍人だけでなく、京大、東大など全国から医学者・研究者が集められ、これに関わっていた。
戦後、少なからぬ人がこの悪逆行為を告発してきたが、それに反発する勢力により事実を隠蔽しようとする動きが常になされてきた。
作家森村誠一氏が出した「731部隊 悪魔の飽食」も、1部の写真が間違っていたことを根拠にすべてを否定し、まるで虚構であったかのような言説を流布していたことは記憶に新しい。
関わった医学者は研究結果をアメリカに提供することにより免罪され、口を拭ったまま戦後の医学界を牛耳り、ミドリ十字に象徴されるように製薬業界にさえ根を張ってきたことと無縁ではあるまい。
これは、南京虐殺に絡む本多勝一氏のルポや慰安婦問題における朝日新聞の報道に関するバッシングにおいても同じ構造が見て取れる。現実から目を背け、歴史の真実を見つめようとしない勢力が今なお存在している。
8月13日、NHKが生々しい映像と音声でこの非道な犯罪を白日の下に曝した。日頃、政権に忖度ばかりしている印象の強い放送局であるが、今度ばかりは心からのエールを送りたい。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170813