形見の花
このところ裏の林で小鳥の群れが目につく。 カメラのレンズを延ばして撮影し、不鮮明ながらその特徴からカシラダカと判定した。 図鑑には、冬鳥で繁殖地の大陸方面に渡る前、早口で「ぐぜり」を始める、とある。 さえずりに似た小さな鳴き声を「ぐぜり」と称するらしいが、群れともなるとチー...
33年ぶりの大雪
2月11日、鳥取市の積雪が90cmを超え、33年ぶりの大雪と報道された。 田舎暮らしの必需品、軽トラも雪に埋まる 33年前といえば昭和59(1984)年、その冬は寒く、降り積もった雪はなかなか消えなかった。 仕事の先輩が、「春の彼岸に、山間部の墓地に母親の納骨をしようとした...
原発ババ抜きトランプゲーム
トランプ大統領の登場は、長く続いたパクス・アメリカーナが終焉を迎えたことを象徴している。同じように力を誇った「原子力帝国」も黄昏時のようである。 ニューヨーク郊外、人口密集地帯からわずか50km地点のインディアンポイント原発。さすがアメリカ、いい度胸をしているとあきれるが、...
あだ花、あだ枕
玄関先のモチツツジが氷雨に濡れている。 実の成らないあだ花であるが、返り咲きと呼べば響きもいい。 お隣さんが面白いブログを綴っていた。 小学校も入学前、琴を習っていたがその曲は地唄「黒髪」であったという。 意味も知らず(当たり前であるが)...
幻覚作用
50年来育てているサボテンがある。 中には大きくなりすぎて、植え替えや冬の保管に困難をきたすものもある。何しろ重い。 立てかけた傘と比べると大きさがわかる。後列のものは一抱えもある。 大型のもの4種類の寄付の申し出をとっとり花回廊と鳥取大学乾燥地研究センターに行ったが、適切...
鹿の恋
秋も深まり、大根や白菜など冬野菜作りに忙しい。 ひと汗かいて腰を下ろし、脇の藪に目をやるとススキの根元に懐かしいナンバンギセルの花が咲いていた。 道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ (万葉集 詠み人知らず)...
オキュパイド・ジャパン
1947年、生まれた国は連合国占領下の日本であった。 1952年のサンフランシスコ平和条約の発効まで、日本の輸出品は「Made in Japan」ではなく、GHQの命令で「Made in Occupied Japan」であったそうな。...
朱夏
このところの猛暑、まさに朱色に染まった感がある。 草木の萌える春の野山はなぜか白い花が目立つが、炎暑の夏は赤い花が似合う。 庭に咲くコオニユリとキツネノカミソリ 近頃進む温暖化の影響か、以前山陰には生息しなかったクマゼミが、朝からシャワシャワ、ワシワシとかまびすしい。暑苦し...
田園まさにあれなんとす
帰りなんいざ 田園まさにあれなんとす なんぞ帰らざる 既に自ら心をもって形の役となす なんぞ惆悵として独り悲しまん 帰去来の辞(陶淵明 365ー427) 車で近くの山間の村へ。幼い頃、手を引かれ歩いて行った母の実家は今はない。町の中心部からわずか3㎞の村の周囲には耕作放棄地...
大湿地帯
夜、周りの田んぼからにぎやかなカエルの鳴声が聞こえてくる。田植えが始まった。 日本の平野部は大昔、アシの群生する湿地だったという。古事記や日本書紀には、日本の別名として豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)や秋津州(あきつしま)が記されている。...